ふりかえり 2023
今年の振り返りをするぞ。
近況
今年はいろいろあったしこの項から書き出すべきだよな、と思って書き始めたが、無駄に長く重くなってしまったのでやっぱやめた。気が向いたらしかるべき時に出します。
音楽
2023よかったリスト
去年は極力オリジナル曲から選んでたんですけど、今年はカバーもいいかな…つって選んだらカバーまみれになってしまった。そりゃ(そればっか聴いてりゃ)そうよ。
梓川と鯨木とヒーローたちばっか聴いてた。あと重音テト。
映像作品
機界戦隊ゼンカイジャー
良すぎる!!!!なんでもっと早く見せなかった!!!!すみません見てなかったのは私です!!!!
ストーリーはもちろん、アクターさんの演技がめちゃくちゃ好きで、かなり明確に自分でフェイシャルなしのモーション作るときの指標になっている。
ゼンカイナイトも本当に行けてよかった。誰が何と言おうと私は駒木根葵汰にギアトリンガーで打ち抜かれたんだ。
王様戦隊キングオージャー
良すぎる!!!!
「面白すぎて今後面白くなくなる可能性が怖い」というイカれた不安を覚えさせられたが、しっかりずっと面白い。(まあひと月分貯めてはいるんですが…ちゃんと見ます…)
なんだかんだ映画以降ギラがいちばん好きかも。エピソード単発の火力では他のキャラに劣り、(ジェラミー登場直後とかは特に)各王様の個性の強さに押されている気もしたが、最終的に毎週のちょっとした言動の積み重ねが大言壮語に説得力を持たせる、という構造が気持ちいい。真っ当に主人公をやっている。
ヒーローショーも本当に楽しい。余裕があったら気が狂うぐらいGロッソに入り浸っていたはずなので、今の私が忙しくて本当に良かった。
あと半年もしないうちにキンドンが来るという事実、恐ろしすぎるな。
仮面ライダーギーツ
おもしろかったんだよな、あれ。もちろん明確に熱いシーンとかもあったんだけど、それよりもじわじわ「このまえのギーツ、おもしろかったな…」って思っている時間が長かった気がする。単に私が英寿の過去まわりの話を咀嚼するのに時間かかってただけかも。
マークⅨが本当に好きです。歴代最終フォームでも指折り、なんならいちばん好きかも。初期フォームはぶっちぎりでいちばん好きです。1話が良すぎる。5回は見てる。
ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り
今年めちゃくちゃ映画見た(勉強のため!勉強のためなので!という言い訳をずっとしていた)けど、なんだかんだこれが一番かも。
王道冒険譚として100点。100点の物語を100点として届けるためのノイズの排除が本当に丁寧で、「見る人・タイミングによって80~120点」みたいなことがないような作品。
小学校の視聴覚室で見たい作品だけど小学生の時分でツノありハーフエルフ美少女なんて浴びたら狂っちまうよ。
いくらなんでも特撮好きすぎるだろ。例年もっとアニメとか見てた気がするんだけど。今年テレビ放映のアニメ一本も完走してないし映画も君生きとコナンしか見てないかも。
TRPG
片鱗
回っていただきありがとうございました!手放しに大好きなシナリオというには色々引っ掛かりがあるが、手放しに大好きなセッションとは言っていいでしょうよ。
ゆらめく魔法市
手放しに大好きなシナリオ!!!!全人類7歳のキャラシを作ってください。NPCのRPが本当に楽しい。
東京ゴーストマティカ
また線が細くて〇〇(ネタバレに配慮)な男をやってるトゴねぇ… 異能力バトルって最高!
かいぶつたちとマホラカルト
まぁた〇〇な男マホねぇ… HO上で誰かとコンビとかでもない自探索者に1人で狂っちゃったとき、「やり場」に困るので困っている(カス感想)大太刀使いって最高!
ウルトラヒロイック
大好きなシナリオ、大好きな自陣、そして大好きな立ち絵!!!!
本当は魔法使いの事前情報があまりにも「いつものクラタ」過ぎたので選びたくなかったんですけど、ど~~~~してもお顔が好みだったので…致し方なく…ハイ…
100回やっても100回魔法使いだよ。
今年の私、RP上手くなかったですか?(自惚れ)
台詞自体は少なくても、いいところでちゃんと刺せていた自負がある。具体例がゲートボールなのはどうかと思いますが。
よかったこと
Dytica
自分でもびっくりするぐらいズブズブに好き。クリエイティビティに溢れていて、野心に溢れていて、活動が楽しいっていう希望に溢れている。
同期でカラオケして選曲が「つながリーヨ!」「デリヘル呼んだら君が来た」「Climax Jump DEN-LINER form」の男たち好きにならないわけないでしょ。
原神シンフォニー
数少ない現地参加イベント。生オーケストラって小学生以来とかだったけどとてもよかった。観客の年齢層の幅が広くて面白かった。
ところでアルハイゼン実践紹介曲の配信まだですか?
船に乗った
多忙を極めほとんど目立った娯楽がなかった今年のスケジュールに燦然と輝く船。
自分ひとりだったら確実にカタログギフトをレトルトカレーに換えて終了していたので、船に乗りたい友人がいてよかった。美味いイタリアンって本当に美味いんですね。
アコスタ参加
去年の自分に言ったらびっくりするかな、と思ったけど別に納得するだろうな。異空間すぎてめちゃくちゃ楽しかった。ちょっといろいろあって今後参加が叶うかは微妙なところになってしまったが、機会があったらまた行きたいな。
これでやりたいことリスト「コスプレをする」達成だぜ!って思ったけどリストには「メイド服とゴスロリを着る」と「自アバターのコスプレをする」しかなかった。「自アバターのモデルとコスプレした自分で並んで、自分っぽいどと自分のデュエット音源で踊る」、自分の肉でハンバーグをこね続けてきた人生の集大成として最高だろうなと思うけどダンスができないのでこの話は終わりです。
来年もよろしくお願いします。
対外的な刺激はめちゃくちゃ受けていたはずなのに言語化できるインプットもアウトプットも少なくて日記にしづらい一年だった。でも今後の人生って概ねそうなのかも。来年の目標は「おもろいことしましょうね」です。
グリユニを見たよ
なんか求められている気がするのでグリッドマンユニバースの感想を書くぞ。
当然だが「SSSS.GRIDMAN」「SSSS.DYNAZENON」「グリッドマンユニバース」のネタバレを含むぞ。
見たいもの全部見せてくれたね。逆に見せてくれすぎて途中から脳内に「見たいシーンビンゴカード」が生まれてしまい、いいシーンがあっても「おっビンゴ」みたいな反応になってしまったのが申し訳なかった。
まずダイナゼノンがめっちゃ面白かった。グリッドマンが面白くはあったがそこまで刺さっていなかったのもあり敬遠していたが、かなりよかった。グリッドマンのときに気になっていたキャラクターの人間味のなさ(これはストーリーの根幹にも関わってるのでこれでいいのだが)がなくて、人間ドラマ部分もちゃんと面白かった。戦闘は言わずもがな。
そして満を持してのグリッドマンユニバースだが、まず作画がいい!テレビ版では気になるぐらい止め絵が多かったが(コストカットって大事だからいいけどね)、流石の劇場版クオリティ。大写しの内海やたら顔が良くてウケちゃった。
スーパーロボット(っていったん呼んでいい?)の最終形態の武装が逆にビームだけなのってなんかそういうルールがあるんですかね?今真聖ラーゼフォンとニルヴァーシュtype ZERO spec3と天のゼオライマーの話をしています。
ダイナゼノンの会話のテンポかなり好きなので蓬とゆめのノリにグリッドマン陣営がのまれているのがよかった。ラストもね。
蓬くんが「自分達は造られた存在」のくだりで一旦止まってくれたのがよかった。グリッドマン同盟流石にそこの飲み込み早すぎただろ、という気持ちがあったので。
成長後ナイトくんと六花とかキャリバーさんとかの絡みが見たかったので、ナイトくんが話しかけたのが新条アカネだったとき「くやし〜〜〜〜〜!!!!」つってました。新条アカネに対する感情、悔しさです。衣装かわいかったね。
ゴルドバーン強化もそれがちせのボディペイントきっかけなのもマジでよかった。飛鳥川ちせ、本当に好きです。
二代目がついででデカくなるのは流石にただの癖じゃない?
日記
3/3(金)
・原神、風花祭。セノ、本当にいい。割と最初に想定していたセノはこれだった気もする。暇を見てセレベンツ読み進めといてよかったな。
・ソッカの美術解剖学ノートを読み始めた。ここに描かれた骨の全てと同じものが自分の身体に入っているという事実にゾッとする。
生物学などをやっている人間はすごい。自分が生命であることと客観的に生物を研究することの両立、きっと難しいだろうに。
・欲しがっていたので家族にfire TVスティックを買い与えた。どうせ父はYouTubeでギャンブル動画を見ることに、母はハードディスクに録画したBSの旅番組を見ることに忙しいのであまり使われないだろうな、とは思うが。
自分が親になったとき、「どうせ使わなくなるに決まってるから」という理由で諸々を買い与えないやつになりそうで嫌だなと思うことがある。
3/5(日)
スーツなるものがいるらしいので買いに行った。何故か家族総出で。
特に眼鏡屋などで顕著なのだが、似たような形状ものが大量に陳列されている中から一つを選ぶことにめちゃくちゃなストレスを感じる。もし選ぶことになってたら振袖とかも発狂しながら見ることになってたと思う。
案の定スーツ屋でSANが5減ってしまい、パニック寸前だったのだが、俺は賢いので「私はきっと途中で判断ができなくなるので、その時は問答無用でこの一番手前のやつを着せてくれ」という旨を事前に申告できていた。朦朧とした意識のまま採寸を受け、さあ帰れるぞとなったその瞬間、スーツ屋の兄ちゃんが「ついでにこっちもどうですか」とパンプスの棚を見せてきた。全部同じ形をしていた。私は狂った。
そもそも踵のある靴の履き心地が苦手なのもあり、何足か試し履きをしている間に本当にしんどくなってしまい、「すいません、とても嫌な気持ちになっています。これ以上履くと本当に嫌になってしまうので、今日はここで終わりにさせてください」と言った。本当にこの文言で言った。振り返ると本当にトンデモ野郎だが、泣きながら裸足で店から飛び出すとかよりはマシなので許してほしい。
これでも自分についての理解はだいぶ進んでいるし、以前よりは色々とマシになった気はするが、それって真人間になろうという努力をやめていい理由にはならないらしい。はい、がんばらせていただきます…
3/6(月)
もらったはいいけど箱にしまいっぱなしだった腕時計、いつの間にか止まっていたので電池を変えた。「止まっていた時を動かす」、人生第三部一巻一ページ目の大ゴマだな。
美味いハンバーグを食った。美味かった。(ここに美味いハンバーグの写真)
ソースより塩胡椒の方が美味しかった。これは味覚の進化なのか退化なのか。
ドンブラザーズ、面白すぎたな。正直ゼンカイジャーもだいぶ見たいです。絶対にめちゃくちゃ好きだろうな、と思い始めて丸2年経つので。
宴会を遠巻きに見守りながら主君に話しかける人間のこと一生好きだよ お前のことだよジャーファル
ふりかえり
2022を振り返ろうと思ったけど11月以前の記憶がぶっ飛んでいて驚いた。やっぱ日記って書いた方がいいな。
漫画
アフターゴッド(江野 朱美)
すいません、アフゴンの話をするためだけにこの記録を書いています。この後の話は全部どうでもいいのでここだけ読んで帰ってください。
謎の超巨大生命体“神”を討伐するために、彼らを研究する機関の職員たちと、何故か生まれつき“神”に近い力を扱える少女が協力して戦っていく、というバトルもの。
異能力ものとしてはある種のテンプレみたいな設定ではある。今ならチェンソーマンがそれらの最大手だろうか。ただ、チェンソーマンが「憎しみに塗れた世界で主人公が愛を求めて戦う」というジャンプ的王道感性を持っているとすれば、アフターゴッドは「愛に溢れた世界で主人公だけが憎しみを貫き通そうと足掻く」物語だと解釈している。
超緻密な作画と吹き出しいっぱいの哲学が曼荼羅が如く繰り出される画面は、どこに出しても恥ずかしい『サブカル漫画』そのもの。でも俺たちは大好きじゃないか、『サブカル漫画』ってやつがよぉ…!なぁ…!
とりあえず「強大すぎる神によって死が魅力的なものになってしまった世界」と聞いてピンと来たら一巻だけでも読んでください。(1/31まで一巻無料らしい!)(電子書籍、どのリンクを貼れば一番親切なのかわかんないな)
アフターゴッド 1 | 江野朱美 | 【試し読みあり】 – 小学館コミック
みなと商事コインランドリー(漫画:缶爪さわ 原作:椿ゆず)
https://comic.pixiv.net/works/6246
この熱量出したあとによく商業BLの話できますね。文武両道イケメン高校生×冴えないコインランドリー管理人アラサー男の駆け引きゼロのスーパーピュア恋愛のやつ。アラサー側に倫理観があるのがありがたい。
これまで読んできたBLの「なんかよかったな〜」って展開が全部ゆる〜くなって順番に出てくるので面白くなってしまう。読んでて進研模試解いてるみたいな気持ちになります。(癒されるのでとてもいい、という意味です)
音楽
2022よかったリスト
カリスマ
良すぎる。良さを言語化しようとしてもブロスの記事と久埜織人の配信の再翻訳になってしまう。
茶瀬木高校オカルト部(CoC)
【PDF版】茶瀬木高校オカルト部【クトゥルフ神話TRPGシナリオ集】 - 呼声市役所観光課 - BOOTH
でっけ〜キャンペーンシナリオを回させてもらった。今の日程合わなさを見てるとよく回し切れたなと思う。楽しかった!
文町さんシナリオ回すの楽しかったな。取り合いだから暫く回ってこなさそうだけど。
後やっぱりすずきさんシナリオが大好き。仮入部もいずれやりたい。あなざえは知りません。
VOID(CoC)
クトゥルフ神話trpg VOID - myao - BOOTH
実は6時間超をこれぐらいしか回ってないのでは、という説がある。そんなこともないか。いいキャラシを書いたなぁという自覚があります。
自探索者のくすんだピンク髪は生まれつき色素が薄めの人の茶色がかった髪の誇張です。かわいいね(これはアイドルマスターシャイニーカラーズのキャラデザは天才、という話と同義)
星の吸血鬼にさよならを(新CoC)
『星の吸血鬼にさよならを』PDF版 - こりかん - BOOTH
VOIDがいいキャラシを書いた方だとしたらこっちはあんま良くないキャラシを書いた方にはなるんだが、やっぱり私はあんまり詰まってないキャラをセッションの中で完成させていく工程が好きだなぁと思ったシナリオ。結果は変わらなくとも、事前に選択した秘匿よりも、「それではセッション始めていきます、よろしくお願いします」の後に選んだことの方がなんとなくPCの選択って感じがする。なんとなく。
振り返って初めてやったの今年か!ってびっくりしたやつ。面白い!TCGとかカードプール覚えるのが億劫すぎてすぐやめちゃうんだけど、ビガミは自分のコンボだけ考えてればいいのに程よく考える余地もあって楽しい。またやろうね。
よかったこと
友だちとたくさん遊んだ
最初にオフで集まったの今年ってマジですか…?
全然10年来の仲だと思っている 今後ともよろしくお願いします
名古屋に行った
日記 6/27(ワクワク名古屋スペシャルその一) - クラタの電脳云々
楽しかった 来年余裕あったら北陸方面とかいきたい
にじさんじフェスに行った
にじフェス感想雑記 https://privatter.net/p/9372180
逆にリアイベこれしか行けてないんだな
来年は原神シンフォニー皮切りに色々行けたらいいな
埋められたやりたいことリスト
ホテルのスイーツビュッフェに行く
ビュッフェじゃなくてアフタヌーンティーだったけどむしろ優雅な体験をしたかもしれない。バカ遅刻してきた友人がジーパンスニーカーで現れたときははっ倒そうかと思ったが。
執事喫茶に行く
よかった。レポが謎に伸びて日記に「日記」ってタイトルつけて更新してるようなクソブログに読者がついたのにはビビった。
美味しいジビエを食べる
トナカイ、リス、サメなどを食べた。とてもよかったが、執事喫茶の次にジビエレポを上げるともう「そういうブロガー」になってしまうのではないか、という恐怖がよぎって日記を書かなかった。
ありがとうございました
来年の目標は「生活をちゃんとやる」です。アフターゴッド読んでくれ。
執事喫茶に行ってきた-日記 12/5
男性接客のコンカフェ自体初体験だったのでめちゃくちゃ緊張した。メイド喫茶は女性だけで行くと友だちっぽい接客をしてくれるところが(体感だと)多いので、ついに「お嬢様」扱いされる日が来たか…と戦々恐々としていた。
心の準備のため、事前にネットで評判を見ていたが、「執事の〇〇さん推しです!」みたいな人々が徒党を組んでいるコミュニティとかを見つけてしまったので余計に恐ろしくなってしまった。
予約した時間に店頭に赴くと、燕尾服の好青年に出迎えられ、「お帰りなさいませ、お嬢様。こちらでお待ちください」とフッカフカのソファーに座らされた。
本物だ。本物の執事だ。恐ろしいが、まだ、まだ野生のはぐれ執事である可能性もある。ガタガタと震えながら裁きの時を待つ。普通に寒くて震えていた気もする。
「お支度が整いましたので、ご案内いたします」と手で示された扉の前に立つと、ひとりでにそれが開き、中から燕尾服の好青年が出てきた。
燕尾服の好青年に連れられるまま絨毯敷きの廊下を進むと、そこはシャンデリアに煌々と照らされただだっ広いティーサロン。レースのカーテンが掛かり、大きな花瓶に青い薔薇が生けられ、アンティーク風の調度品が並び、そして所狭しと燕尾服の好青年が行き交っている。
我々を席まで案内したフットマンは、スマートに私の椅子を引き、膝にナプキンをかけ、ワイングラスに水を注ぎ、呼んでいないのにいい頃合いに注文を取って帰っていった。
季節のデザートプレートと紅茶を頼んだ。ゴシックとかいうフレーバーティーで、アッサムにウィスキーのフレーバーがついているそうな。めちゃくちゃ美味かった。
店内は意外と賑々しく、一人で来ているお客さんのところには頻繁に執事が話しかけに行っているように見えた。口調こそ丁寧だがなかなかフランクで、いい意味でコンカフェらしい雰囲気。
出してもらったティーカップが、一緒に行った友人が昔私にプレゼントしてくれた物と全く同じ物だった、という偶然があったのだが、そのことをフットマンに話したら「ノリタケがお好きなのですか!」と目を輝かせ、熱っぽくノリタケ蘊蓄を語り始めてくれたのがとてもよかった。
途中でその場の責任者らしきお年を召した執事が挨拶に来てくれたのだが、彼の姿を見た瞬間「幼少の折に私のお転婆を叱りながらも見守ってくれた爺や」のない記憶が鮮明に蘇ったのが恐ろしかった。
お茶を飲み切ったのでポットから次を注ごうとティーコゼーに手を掛けた瞬間、遠くから執事がすっ飛んできて(本当に“すっ飛んで”という感じだった)「気付くのが遅くなり申し訳ございません!!!」と謝り倒されたのでものすごく申し訳なくなった。すいません…育ちが悪くて…
店内にはいかにもなふりふりの服を着たお嬢様もいて、随分親密そうに執事と喋ったりもしていたが、そもそも執事の指名はできないらしく、四六時中お喋りに付き合ってくれるわけでもないようだった。はじめに恐れていたような紅茶でタワーを築くお嬢様同士の抗争とかはなさそうだった。(イベントとかでどうなるのかは知らないが)
あくまで「創作でしか見ないような執事が沢山いるキラキラした空間で、背筋を伸ばして繊細な菓子を食う」という非日常を楽しめる場所として、お値段に見合う価値はあったと思う。
帰宅の際、先述の爺やが上着を着せてくれたのだが、「腕をまっすぐにしてください、はい、お上手でございます!」と褒めてくれたのが普通に恥ずかしくなってしまった。
「それでは外で馬車が待っております。お足元が悪いのでお気をつけて。門限は22時ですから、それまでにお戻りくださいね」そう言って燕尾服の好青年が扉を開けてくれた。
思わず「ありがとうございました」って言っちゃったの悔しいな、次は「行ってきます」って言わなきゃな、と反省会をやりながら黄緑色の線が入った馬車で家路に着いた。
【啓蒙回】小火を起こしました(未遂)
お久しぶりです。
しばらく書くことも書く気力もなかったのでブログに触ってませんでした。書くことと書く気力が発生したので、ひさびさに筆を取ろうと思います。
僕は普段「軽い調理を伴う接客業」をして小銭を稼いでいます。今日も職場の厨房でシオカラ節を鼻歌で歌いながら皿を洗っていました。
するとどこからともなく香ばしいいい香りが漂ってくるではありませんか。あら、お隣の北海道料理屋さん、今日は火入れが早いのねうふふ、そんなふうに思いながら振り返ると、
フライヤーからとんでもねえ量の煙が上がっていました。
今思い返せば、あの時まだ時刻は朝8時を回ったところでした。朝8時からラム肉を食うのは、「そういう風習のある狩人」だけです。
人生で一番の声量で叫びました。のぶ代ドラみたいな声でした。
脳内で「職場で見た火災発生時フローチャート動画」「失火責任法について話す架空の岡野タケシ弁護士」「『ねぇねぇねぇ。』を踊る叶と三枝明那」の3つの映像が点滅していました。今の俺の走馬灯、FANTASIA Day2らしい。
幸いにも火は上がっておらず、叫びながらコンロの摘みに飛びつくことで煙はおさまりました。心臓が痛い。
その後べそかきながら偉い人に電話したりして、とりあえず事なきを得ました。原因は詳しくはわからんけど、とりあえず機械の故障ということになっています。(つまり僕の過失は殆どなく、この話のタイトルは「小火を止めました(天才)」が正しいのです)
というのがことの顛末です。「啓蒙」などと豪語はしましたが、結局のところ今回は特段何も起こらなかったので、「こうすべき」みたいな教えを僕の方から提示することはできません。
ただ、もし貴方の目の前で炎が上がったときに、貴方の脳内に巡るのが岡野タケシ弁護士と推しの笑顔だけだったら、と思うとぞっとします。なにがしかの縁でこの文を読んでくれた貴方が、明日ぐらいは学校やら職場やらの消火器の場所でも気にしながら歩いてくれたら嬉しいです。